日々のこと

Archive for 10月 3rd, 2011

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 『フライドグリーントマト』の上映会は、「沢の鶴」という日本酒の試飲、フライドミニトマトとオリーブの試食、字幕翻訳家の戸田奈津子さんのトークショーがあるという、盛りだくさんの企画でした。

 どうやらメインは、沢の鶴の試飲みたいでした。

 開場して中に入ると沢の鶴が配られていて、最近の試写会は座席での飲食は禁止のことが多いのですが、今回は沢の鶴を座席で飲んでもいいとのことでした。

 映画のあとに25分の休憩時間があり、今度は沢の鶴と一緒に、銀座のレストラン(どこか忘れた・・)のシェフが調理して下さったというフライドミニトマトが配られました。

 沢の鶴はアルコール度数が低く、でも日本酒の味わいは生かされているので、どんな料理にも合うとのこと。

 多分、沢の鶴を飲むのに合うメニューがわかりやすく現れた映画で戸田さんが翻訳したもの、ということで『フライドグリーントマト』が選ばれたのかな。

 フライドグリーントマトは、イジーとルースが経営していたカフェの名物メニューです。

 休憩時間のあと、戸田さんのトークショーがありました。

 おもしろかった!

 30分ほどでしたが、もっと聞いていたかったな。

 昔のフィルムの映画の場合は作品が出来上がった状態で届くので、それを観ながら翻訳をしていたのだそうです。

 でも最近のCGの作品は、監督さんがぎりぎりまで映像を修正したいので、翻訳家さんのところには未完成のものが届くんですって。

 近日公開の『猿の惑星』を例に出すと、完成版ではたくさんの猿が出ているところに、未完成版ではたくさんの人が出ているのだそうです。

 猿は人間より手が長いので、出ている人が皆、猿の手の長さになるように棒を持って、演技しているんですって。

 想像すると、オカシイ!!

 昔なら、俳優さんたちの表情を観ながらセリフや言葉遣いを考えていたので、未完成の映像だと、それが難しいこともあるそうです。

 戸田さんがけしからん!と思っているのは、字幕よりも吹き替えがいいと思う若い人が増えていることだそうです。

 自分の仕事がなくなるからというわけではなく(単館映画やDVDだけの作品などで必要だから、字幕翻訳家の仕事がなくなるとは思っていないそうです)、字を読むのがめんどくさいから吹き替えがいい、というのはよくないと。

 文字数が限られている字幕では漢字が頼りということもあるのに、最近は漢字を読めない人が増えていて、字幕作りに苦労するという話は、あららもどこかで聞いたことがあります。

 戸田さんは、この人の吹き替えを聞きたいからとか、この作品では映像をじっくり楽しみたいからとか、そういう理由で吹き替えを選ぶのならいいど、字を読みたくないから、読めないからというのはよくない、日本人なんだから日本語は読んで欲しい、とおっしゃっていました。

 うんうん、あららもそう思います。

 機会があれば、戸田さんのお話をもっと聞きたいな。

 字幕製作の裏側や、映画に対する戸田さんの考えをもっと知りたいです。 

 あっという間にトークショーお30分も過ぎ、すべてのイベントが終了。

 帰るときには、なんとおみやげもいただきました。

 沢の鶴300ml~。

 映画鑑賞、試飲、試食、トークショーにおみやげまで。

 とってもトクした~。

 またこんな企画に当たるといいな。

 イベント付き上映会に行ってきました。

 1991年の映画なんですって。

 でも、設定の中で過去を振り返っている映画なので、最近の新作と言われても違和感ないかも。

 子供たちは独立し、自分よりも野球中継に関心を持つ夫にいらいらした日々を送る主婦が、伯母の面会に行った老人ホームで出会ったおばあさんの昔話を聞いて、最後には元気を取り戻す、という話です。

 その昔話は、1930年代のアメリカ南部が舞台です。

 子どもの頃に兄を事故で亡くしたショックで、家族にさえ心を開かなくなったイジーに寄り添ったのは、亡くなった兄の恋人だったルースでした。

 そのうちにふたりは深く理解し合う親友同士となったのですが、大人になってからも、兄・恋人を失ったことほどではないにしろ(いや、それと同じくらい大変なこともあったな)、様々な大変なことが起こります。

 ルースがのちに結婚した相手は実は暴力夫で、それを知ったイジーがルースを連れ出し、ふたりでカフェを経営して生計を立て始めます。

 そのカフェは、ホームレスや黒人もお客として受け入れていました。

 当時は黒人が差別されていたので、黒人が気にいらない人たちから嫌がらせをされたり、ルースの夫が脅迫しに来たり。

 でもお客たちとイジー、ルースはとてもいい関係を保っていたので、何かあっても、みなで協力し合って乗り越えていきます。

 ある日、ルースの夫が突然行方不明になります。

 証拠もなくイジーが犯人とされ(以前「もしルースに手を出したら殺してやる」と言ったことがあったこと、閉鎖的な当時の状況からするとイジーは突飛なことをする人だったので、あいつがやったんだろうと思われやすかったのが理由)裁判にかけられてしまったのですが、結局ルースの夫は見つからないまま、イジーは無罪となりました。

 実は癌に蝕まれていたルースは、裁判を見届けた後に亡くなり、イジーと仲間たちは、これからも一緒に力を合わせて生きていこうと決意する、という話です。

 その話を聞いて元気を取り戻し、自分もこれから新しい人生を歩もうと決意する主婦の気持ち、わかるような気がします。

 お年寄りのお話を聞いて、こんなんじゃだめだ、頑張ろうって思う気持ち。

 あららはフルタイムで働いていた時、お年寄りとお話をする機会非常にしばしばありました。

 時々、大変な過去をおおらかにお話される方もいらっしゃって、うう~ん、お年寄りってすごい!と思ったものです。

 長く生きていればいるほどたくさんの経験をしていて、その中にはもちろんいいことばかりではなく、悲しいこともたくさんあって。

 人によってはお子さんを先に亡くされていたり、「この年齢になるとね、どんどんお友達が減っていっちゃうのよ~。だから今は、若いお友達を増やさないとって思っているの」なんておっしゃる方もいたり。

 近しい人を亡くすということだけでなく、人生って、大変なことがいっぱい。

 でもそれを乗り越えて、今この人は、楽しそうにお年寄りライフを満喫している・・・、あららはまだ若い分、もっといろいろあるだろうし、だからもっとたくましくならないといけないなあ・・・と思ったものです。

 新しい映画ばかりじゃなく、昔のいい映画もたくさん観たいな、と改めて思ったのでした。


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